大学3、4年編_その6
それまで俺はバーテンと話してた。
なにも考えずにバーテンと世間話するというのがとても心地よかった。
これが飲み屋の楽しさって言うのかな。。。
しばらくして長髪が来た
あんま酔ってないように見えるが。。。
こいつは酒強いからな
よほど飲まない限り酔わないだろう
それからまたお話お話。
正直この辺になると覚えていない。
緊張のためなのかなんなのか。
俺はこいつに告白できるか
長髪の顔を見ながら考えた。
俺は好きすぎて告白できないってことが何回もあった。
好きな人は苦手な人だ。
緊張してまともにしゃべることもできなくなる
そして夜も更け
帰ることになった。
もちろん長髪も一緒に帰る。
一人で帰ればとか言われなくてよかった。。。
俺: もう夏ですねー
長髪: 夏ももう終わるんじゃない?花火終わったら涼しくなってこない?
俺: そうかな?俺の中ではまだまだ夏です青春ですね
長髪: 青春かあ。
俺: 長髪は俺より若いし青春まっさかりでしょう。
長髪: 青春ていっても学校行ってバイトして友達と遊んでだけどねー。
俺は迷った。
いつ切り出そう。
緊張からか心なしか歩く速度がはやい。
これでは早く別れることになってしまう。
かといっていきなり歩くの遅くなってはおかしい。
そうだ!
俺: ごめん靴ひもほどけた。
長髪: あら
とりあえず時間稼ぎ。
この間に覚悟をきめるんだ。
俺!
数分後
俺: ごめん靴ひもほどけた。
長髪: ちゃんと縛らなきゃだめだよー
俺なにをやってるんだ!
覚悟を決めろ!!
靴ひもがそう何回もほどけるなんておかしいぞ!
しっかりしろ!
すでに別れる位置までの3分の2は来てしまった。
急がなければ。。。
と思うがやはり覚悟が決まらない。
チキンな性格は変わっていないようだ。
道は小道。
暗い小道になった。
これは女性一人で歩くとすると非常に危ない。
俺でも危ない。
そのせいか余計に緊張してきた。
俺: 長髪彼氏つくんないのー?
長髪: なんで?
俺: いや特に理由は無いけど
長髪: んー今彼氏作っても就職したら都会行っちゃうからさー。遠距離になっちゃうから今はいいかなと思ってる。
なんと。。。
俺は自分で自分の首を絞めてしまった。
これを聞いた後で告白したら今言ったじゃん無理って展開が容易に予想できる。
なにをしているんだ俺。。。
長髪: でも都会も肌に合うか分かんないから少ししたら仕事辞めてこっちに戻ってこようと思ってるの
俺: 就職する前から仕事辞めるの考えてんの?
長髪: そういうことになるけど。地元で就職した方が友達いるし楽しいしさ。
俺: じゃあ仕事やめてこっち戻ってきたら俺と付き合ってくれないか?お前のこと好きだから。
言いました。
声ふるえてたろうけど言いました。
後悔は無いよ。
長髪: え、そうなの?ありがとー。でも実際帰ってくる保証まだ無いからね。向こうに行きっぱなしかもしれないし。家庭より仕事なタイプだから。
俺: それなら俺がそっちで就職すればいいだけだ。お前のそばにいたい。お前は強いししっかりしてるし、でも弱いところもある。俺がそばにいてお前の弱いところを支えてやりたい。
長髪: うん。ありがとう。
。。。ありがとう?
これはどう受け止めたらいいんだ?
OKなのか?
NGなのか?
そしてこれは都会に行くまでは付き合えないのか?
帰ってきたらいいのか?
結局そんなことを聞きだす勇気もなく、俺らはその日は別れた。
この結果は予想していなかった。
○でも×でもないとわ。。。
この後どう連絡取ったらいいんだ?